運動会の借り物競争が始まった。僕は走るのが得意だ。当然のように一番最初にテーブルに到着して封筒を取り、中の紙を見る。
『自分のお父さん』
それを見て、思わずガッツポーズをしてしまった。お父さんはすぐ横で僕のことを見ている。これで、一等賞間違いなしだ。
僕は、紙を見せながらお父さんに近寄った。そして、お父さんの手を引張って走り出そうとした。でも、お父さんは動かない。
「どうしたの? 早く来てよ」
そういうとお父さんは、下を向いた。そのとき、横にいたお母さんが言った。
「実は、この人はあなたの本当のお父さんじゃないの」
何のことかよくわからなかったけど、早くしなければ一等賞を採れない。僕は叫んだ。
「じゃあ、僕の本当のお父さんはどこにいるの?」
「あなたの本当のお父さんは、隣のおじさんよ」
それは大変だ。おじさんは運動会に来ていない。僕は慌てて家に向かって走り出した。そして、隣の家に行っておじさんを連れてきた。急いで学校に戻ったときには、競技は終了していた。当然、僕はビリだった。
運動会が終わった。僕のいる赤組は一点差で白組に負けた。僕が借り物競争でビリになったせいだ。
あのお父さんが本当のお父さんだったら……、そしたら白組に勝っていたのに。そう思うと悔しくて仕方なかった。
【あとがき】
もうすぐ、娘の運動会です。ということで運動会ネタを考えてみたのですが、出てきたのはこんな話。やはり私は性格が悪いのか……
まえぞうのショートショートへようこそ。全部読み切りで、短い時間で読める小説です。ラジオドラマにも採用されています。少しの間、楽しんでいって下さい。
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2007年09月20日
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借り物競争 〜若端式〜
Excerpt: お断り このお話は、まえぞうさんの『ちょこっとのヒマツブシ〜ショートショート〜』に掲載された『借り物競争』を、作者の承諾を得てアレンジしたものです。 青字部分は、原作をそのまま引用しております。ご了...
Weblog: 若端創作文章工房
Tracked: 2007-09-22 23:27
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借り物競争 〜若端式〜
Excerpt: お断り このお話は、まえぞうさんの『ちょこっとのヒマツブシ〜ショートショート〜』に掲載された『借り物競争』を、作者の承諾を得てアレンジしたものです。 青字部分は、原作をそのまま引用しております。ご了...
Weblog: 若端創作文章工房
Tracked: 2007-09-22 23:27


でも、とりあえず、運動会にきてくれたお父さんをひっぱっていけばよかったのに。
だって、「仮り物競争」だったんでしょ?
大きくなったらわかるけど、世の中に本物なんてわずかなんだよ。
ほとんどが仮の姿でね
えっ?
私、なんか勘違いしてるかナァ………………
この話を読んで、不謹慎ながら思わず『若端式』の結末が思い浮かんできてしまいました(爆)
もし宜しければ、前半部分を引用したいのですが、大丈夫でしょうか?(汗)
世の中仮り者だらけですよね。私の真の姿は実は……。
『若端式結末』読んでみたいですね。
もちろん引用はOKですので、是非書いてください。
まえぞうさんのお話とはかなりかけ離れた支離滅裂な内容になってしまいましたが、TBさせてください。
お話読みました。思わず吹き出してしまいました。
若端さん、はじめまして
作品、拝見しました。
何かしらリズムを感じ、勇壮なBGMが聞こえてくるような感じでした。
っで、オチが………
おっと、ご覧になってない方もおありでしょうから、それは、直接みていただくということで。
というわけで、若端さん、これから、ちょくちょくおじゃまします。
ヤンさん、はじめまして。ありがとうございます。
まぁ、まえぞうさんのように綺麗にまとめられないので支離滅裂に走ってしまったような気がしますが(爆)
今後とも宜しくです。
このところ、賞味期限切れの食品や偽装食品、ごまかしの耐火製品等々が、しょっちゅう新聞紙面やテレビを賑わせています。
私が、坊やに本物なんて少ないんだよと言い聞かせるように言ったことが、なんだか、ほんとうのことになってきているのに、ちょっと寒気を感じています。
それは別に気候のためだけではないような気がします……………