まえぞうのショートショートへようこそ。全部読み切りで、短い時間で読める小説です。ラジオドラマにも採用されています。少しの間、楽しんでいって下さい。

ブログコミュニティ「edita(エディタ)」に参加しました。ショートショート倶楽部というコミュニティーを作っています。ショートショート好きのブロガーさん、是非参加して下さい。ブログでショートショートを公開している方は、エディター登録して頂ければ嬉しいです。


2006年09月01日

テラフォーミング

「このままのペースで人口増加が進めば、人類は地球上だけでは生活することが不可能になる。このような状態を見過ごすわけにはいかない。私は宣言する。金星の地球化計画の発動を!」

 世界一の大国であるA国の大統領が高らかに宣言した。他の国々も賛同し、全面的に協力することとなった。人類の存亡を賭けた大計画が始まったのだ。



「お父さんも金星地球化計画の研究に参加することになったよ」

「お父さん、凄い! でも、金星地球化ってどういうことなの?」

「金星の環境を地球に近づけて、人類が住めるようにすることだよ」

「そんなことできるの?」

「地球と金星は隣同士で、大きさも質量もほぼ同じ、地殻の構造や基本組成などもそっくりで、双子惑星とも言われてるんだよ」

「でも、金星って凄く暑いんでしょ」

「うん、400℃以上あるみたいだね。まず、気温を下げないと駄目だね。生物どころか水すら存在できない」

「どうやって、気温を下げるの?」

「金星が暑いのは、厚い二酸化炭素の層に覆われているからなんだよ。そのせいで、熱が宇宙空間に逃げられないんだ。だから、まず二酸化炭素を何とかしなければ」

「どうやるの?」

「カールセーガンっていう偉い人は、金星に藻のようなものを蒔くっていう方法を提案したんだ。金星の暑い環境に耐えて、光合成をして二酸化炭素を酸素と有機物にするような植物をね」

「それで、上手くいくの?」

「今のままじゃ、難しいようだね。金星の環境を好んで、効率的に光合成をして、繁殖力の強い植物がないと無理のようだ。それで、お父さんのところに話が回ってきたんだ。遺伝子操作で、そのような生物を作り出す研究をしてくれって」

「お父さんは、遺伝子操作の専門家だもんね」

「この計画が上手くいくかどうかは、お父さんたちの研究にかかっているんだ。頑張らないといけないな」

「お父さん、頑張ってね」



 地球でこのような会話がなされていた頃、金星人たちは次のような話をしていた。


「地球金星化計画はどうなっている。順調に進んでいるのか」

「はい。私たちが遺伝子操作で創り出したニンゲンという生物が、予定通り二酸化炭素を大量に放出し始めました。もうすぐ、地球も我々金星人が住めるような暖かい星になるでしょう」

【あとがき】

 人類が増えすぎた人口を宇宙に移民するように……ということなら、やっぱりスペースコロニーにして欲しいです(個人的に)。地球から最も離れた宇宙都市がどうなるかが心配ですが。
タグ:小説 SF お笑い
posted by まえぞう at 17:43| Comment(10) | TrackBack(1) | SFっぽいショートショート
この記事へのコメント
金・地・火、この三連星に人類が住むようになったらちょっと面白いかも……
『今年は金星産の胡瓜が安いんですって』
『あら、火星は南瓜が豊作らしいわよ』
こんな会話がいつの日か聞けるのだろうか……
Posted by at 2006年09月01日 23:06
金星人ってどんなのか見てみたいね(笑
Posted by あすら at 2006年09月02日 19:13
彦さん
『地球で、狂牛病が発生したらしいですよ』
『地球産の牛肉は輸入中止にしましょう』
ということも。
Posted by まえぞう at 2006年09月02日 21:31
あすらさん
>金星人ってどんなのか見てみたいね
そうですね。金星は英語ではビーナス。きっと美人だらけ。うーん、見てみたい。
Posted by まえぞう at 2006年09月02日 21:33
ありそうな話ですね。
Posted by ペンギン666 at 2006年09月03日 01:13
おお、SFだ。
互いに遠大な計画ですね(wikipediaに金星テラフォーミングは1万年かかるとありました…笑)。金星人はいったいいつから待ち続けているのでしょう。
スペースコロニーか月面都市くらいは、2045年までにめどがつく…でしょうか?
Posted by rizwords at 2006年09月03日 14:49
ペンギン666さん
ありそうですかね。
私も地球金星化のために日々、CO2排出に努めています。
Posted by まえぞう at 2006年09月03日 18:54
rizwordsさん
私も書く前に、一応wikipediaは見ました。でも、一万年かかるというところは見なかったことにして(笑)。
スペースコロニーは、2045年にめどが……どうしよう? 悩んでいます。
Posted by まえぞう at 2006年09月03日 18:57
いつも感心しながらまえぞうさんのお話を読ませていただいています。
SF好きの私にとって、このテラフォーミングのお話しは、特に面白くて、コメントさせていただきました。

私もSF短編時々書いているんですが、まえぞうさんの作品は短い中でとてもうまくまとまっていて勉強になります。

金星人が逆にというオチは最高ですね。
これからも楽しみにしています。
Posted by アンクロボーグ at 2006年09月12日 12:44
アンクロボーグさん
コメントありがとうございます。
このテラフォーミングは自分でも気に入っている作品です。
アンクロボーグさんのサイトを見ると、「SFが好きだ!」というのが伝わってきます。今度ゆっくり読ませていただきます。
それでは、これからもよろしくお願いします。
Posted by まえぞう at 2006年09月12日 17:38
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/23113759

この記事へのトラックバック


Excerpt: 金星人金星人(きんせいじん)は、金星に住んでいるとされる、架空の知的生命体。 ジョージ・アダムスキーのように、実際に金星人と会見したという事例とともに、地球にとって身近な星である金星に生息する生物とし...
Weblog: SFフリーク集合!
Tracked: 2008-02-26 16:54