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ペットロボットに新機能
犬型ペットロボット『メタルドッグ』に番犬機能が搭載された。かつて犬は侵入者に対して吠えることで番犬と呼ばれるセキュリティ機能を果たしていた。しかし不審者だけではなく、知らない人間全てに吠えてしまうという問題を抱えていた。初めて招いた客や宅配業者にも吠えまくることから、犬を番犬として飼うという文化は廃れていった。
今回、我社は新開発の悪人探知センサーを用いることにより、かつての番犬の欠点を廃除したセキュリティ機能を持たせることに成功した。これは、悪人が侵入した場合にのみ吠えるというもので悪意のない客などには吠えることがないという画期的な技術である。
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この広告を見てすぐに購入した。しかし届いたのはとんでもない欠陥品で、初期不良として修理のため、すぐにメーカーに送り返した。そろそろメーカーから連絡があるころだ。
ちょうどその時電話がなった。
「もしもし」
「メタルドッグ株式会社の者ですが」
やはりメーカーからだった。
「ご返品されました製品の検査を行いましたが、どこにも異常はありませんでした」
「何言ってんだ!一日中吠え続けるんだぞ!欠陥品に決まっているじゃないか!」
「お客様の御自宅に不審者が隠れているという可能性はありませんか?」
「そう思って探し回った。どこにもいなかった」
「そうですか……。念のためお聞きしますが、メタルドッグはどこに向かって吠えていましたでしょうか?」
「どこって、俺だよ。俺に向かって吠えまくるんだから、うるさくってたまったもんじゃねぇ」
「……そうですか……実はたまにそのような事例が……。お客様との相性が悪い……というか……」
「相性が悪い? 何じゃそりゃ! 馬鹿なこと言ってると、ぶっ殺すぞ! このやろう!」
あとがき
まえぞうのショートショートへようこそ。全部読み切りで、短い時間で読める小説です。ラジオドラマにも採用されています。少しの間、楽しんでいって下さい。
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2007年09月24日
2007年09月20日
借り物競走
運動会の借り物競争が始まった。僕は走るのが得意だ。当然のように一番最初にテーブルに到着して封筒を取り、中の紙を見る。
『自分のお父さん』
それを見て、思わずガッツポーズをしてしまった。お父さんはすぐ横で僕のことを見ている。これで、一等賞間違いなしだ。
僕は、紙を見せながらお父さんに近寄った。そして、お父さんの手を引張って走り出そうとした。でも、お父さんは動かない。
「どうしたの? 早く来てよ」
そういうとお父さんは、下を向いた。そのとき、横にいたお母さんが言った。
「実は、この人はあなたの本当のお父さんじゃないの」
何のことかよくわからなかったけど、早くしなければ一等賞を採れない。僕は叫んだ。
「じゃあ、僕の本当のお父さんはどこにいるの?」
「あなたの本当のお父さんは、隣のおじさんよ」
それは大変だ。おじさんは運動会に来ていない。僕は慌てて家に向かって走り出した。そして、隣の家に行っておじさんを連れてきた。急いで学校に戻ったときには、競技は終了していた。当然、僕はビリだった。
運動会が終わった。僕のいる赤組は一点差で白組に負けた。僕が借り物競争でビリになったせいだ。
あのお父さんが本当のお父さんだったら……、そしたら白組に勝っていたのに。そう思うと悔しくて仕方なかった。
あとがき
『自分のお父さん』
それを見て、思わずガッツポーズをしてしまった。お父さんはすぐ横で僕のことを見ている。これで、一等賞間違いなしだ。
僕は、紙を見せながらお父さんに近寄った。そして、お父さんの手を引張って走り出そうとした。でも、お父さんは動かない。
「どうしたの? 早く来てよ」
そういうとお父さんは、下を向いた。そのとき、横にいたお母さんが言った。
「実は、この人はあなたの本当のお父さんじゃないの」
何のことかよくわからなかったけど、早くしなければ一等賞を採れない。僕は叫んだ。
「じゃあ、僕の本当のお父さんはどこにいるの?」
「あなたの本当のお父さんは、隣のおじさんよ」
それは大変だ。おじさんは運動会に来ていない。僕は慌てて家に向かって走り出した。そして、隣の家に行っておじさんを連れてきた。急いで学校に戻ったときには、競技は終了していた。当然、僕はビリだった。
運動会が終わった。僕のいる赤組は一点差で白組に負けた。僕が借り物競争でビリになったせいだ。
あのお父さんが本当のお父さんだったら……、そしたら白組に勝っていたのに。そう思うと悔しくて仕方なかった。
あとがき
2007年09月14日
色変換
ある日、突然、赤と青が入れ替わった。
赤いものが青く見え、青いものが赤く見えるようになったのだ。全ての人間が、一斉に同じ現象に見舞われ、世界中が混乱した。
自動販売機で飲み物を買うときにHOTとICEを間違えたり、広島カープ対中日ドラゴンズの試合でチームを間違えたり、動脈と静脈の血液を間違えたり、赤面している人と顔面蒼白な人を間違えたり、とにかく多くの問題が発生した。中でも深刻だったのが、信号である。赤と青を間違えることによる事故が多発したのだ。
これまで赤だったものを青に変えて赤く見えるようにし、青だったものを赤に変えて青く見えるようにしようという案も出たが、膨大な費用がかかるため見送られた。
結局、人々は赤く見えるものは青、青く見えるものは赤、と頭の中で置換しながら生活することになった。人間の適応力というのは大したもので、一年もするとその状態に慣れ、混乱は収まった。
そして、突然、黄色と緑が入れ替わった。黄色いものが緑色に見え、緑色のものが黄色く見えるようになったのだ。すでに、馴れていたこともあり、赤と青の時ほどの大混乱はなかった。人々は黄色と緑を置換することにすぐに適応した。
突然、紫とオレンジ色が入れ替わった。当然、人々はすぐに適応した。
突然、白と黒が入れ替わった。当然、人々はすぐに適応した。
そして、突然、赤と黄色が入れ替わった。昔の感覚で青く見える赤と、緑に見える黄色が変換されたため、昔の感覚で青に見えるものが黄色で、緑に見えるものが赤となったのだ。さすがに、ややこしく、多少の混乱があったものの、人々は適応していった。
突然、オレンジ色と青が入れ替わった。
突然、白と緑が入れ替わった。
それからも、度々色の変換が起こったが、混乱もなく順応していった。
もう色による混乱は起こらないものと誰もが思っていた。
ある日、世界中が大混乱に陥った。
突然、全ての色が元に戻ってしまったのだ。
あとがき
赤いものが青く見え、青いものが赤く見えるようになったのだ。全ての人間が、一斉に同じ現象に見舞われ、世界中が混乱した。
自動販売機で飲み物を買うときにHOTとICEを間違えたり、広島カープ対中日ドラゴンズの試合でチームを間違えたり、動脈と静脈の血液を間違えたり、赤面している人と顔面蒼白な人を間違えたり、とにかく多くの問題が発生した。中でも深刻だったのが、信号である。赤と青を間違えることによる事故が多発したのだ。
これまで赤だったものを青に変えて赤く見えるようにし、青だったものを赤に変えて青く見えるようにしようという案も出たが、膨大な費用がかかるため見送られた。
結局、人々は赤く見えるものは青、青く見えるものは赤、と頭の中で置換しながら生活することになった。人間の適応力というのは大したもので、一年もするとその状態に慣れ、混乱は収まった。
そして、突然、黄色と緑が入れ替わった。黄色いものが緑色に見え、緑色のものが黄色く見えるようになったのだ。すでに、馴れていたこともあり、赤と青の時ほどの大混乱はなかった。人々は黄色と緑を置換することにすぐに適応した。
突然、紫とオレンジ色が入れ替わった。当然、人々はすぐに適応した。
突然、白と黒が入れ替わった。当然、人々はすぐに適応した。
そして、突然、赤と黄色が入れ替わった。昔の感覚で青く見える赤と、緑に見える黄色が変換されたため、昔の感覚で青に見えるものが黄色で、緑に見えるものが赤となったのだ。さすがに、ややこしく、多少の混乱があったものの、人々は適応していった。
突然、オレンジ色と青が入れ替わった。
突然、白と緑が入れ替わった。
それからも、度々色の変換が起こったが、混乱もなく順応していった。
もう色による混乱は起こらないものと誰もが思っていた。
ある日、世界中が大混乱に陥った。
突然、全ての色が元に戻ってしまったのだ。
あとがき
2007年09月06日
占い嫌い
朝出勤して更衣室に入ると、同僚のOLたちがなにやら騒いでいた。
「見て! 今日素晴らしい出会いがあるでしょうだって!」
そんな言葉が聞こえてきた。どうやら占いの話をしているようだ。その中のひとりアカネが私に近づいてきて言った。
「マキのことも占ってあげましょうか?」
「遠慮しておくわ」
私は素っ気なく言った。しかしアカネは引き下らない。
「この携帯サイトの占いよく当たるのよ。名前を入力するだけで今日の運勢がわかるの。簡単だからマキも占ってあげる」
「だから、占わなくていいって言ってるでしょ!」
つい口調が荒くなった。
「もしかしてマキ、占いが嫌いなの?」
「そう、嫌いなの」
嫌いというレベルではない。私は占いを激しく嫌悪しているのだ。昔、両親が占い師の言葉を信じて事業に失敗した。それから占いを憎むようになった。雑誌などの占いコーナーも見ないだけでなく、ページごと破り捨てるほどだ。
「やっぱり占ってみようよ。本当に当たるんだから。マキの占い嫌いも直るかもしれないよ」
「だから、嫌だって言ってるでしょ!」
思わず大声で叫んでしまった。するとアカネは眼に涙を浮かべ、絞り出すように声を出した。。
「……そんな言い方しなくてもいいじゃない……」
その光景を見ていた同僚たちが集まってきた。彼女たちは一様に私に批難の眼差しを向けている。まずい状況だ。これは腹をくくるしかない。慌ててアカネに言った。
「アカネごめんね。あんな言い方して。いいわよ私のこと占っても」
そう言うと、アカネは涙を浮かべたまま私の眼をじっと見て言った。
「分かった……許してあげる。でも、もうサイトを閉じちゃった。マキ、自分の携帯で見てよ。教えてあげるから」
「う、うん」
私は携帯を取り出し、アカネの言うとおりに操作した。そして、目的の占いサイトに辿り着いた。
入力欄に自分の名前を入力して、『占う』と書いてあるボタンを押した。画面が切り替わる瞬間、思わず眼をつぶってしまった。やはり、占いなど見たくない。しかし、この状況では、そうも言ってられない。
ゆっくりと眼を開き、画面に表示されている『今日のあなたの運勢』を見た。そして、そこに書いてある文章を恐る恐る口にした。
「今日、あなたは自分の意に反したことを無理矢理させられそうです。気をつけましょう」
あとがき
「見て! 今日素晴らしい出会いがあるでしょうだって!」
そんな言葉が聞こえてきた。どうやら占いの話をしているようだ。その中のひとりアカネが私に近づいてきて言った。
「マキのことも占ってあげましょうか?」
「遠慮しておくわ」
私は素っ気なく言った。しかしアカネは引き下らない。
「この携帯サイトの占いよく当たるのよ。名前を入力するだけで今日の運勢がわかるの。簡単だからマキも占ってあげる」
「だから、占わなくていいって言ってるでしょ!」
つい口調が荒くなった。
「もしかしてマキ、占いが嫌いなの?」
「そう、嫌いなの」
嫌いというレベルではない。私は占いを激しく嫌悪しているのだ。昔、両親が占い師の言葉を信じて事業に失敗した。それから占いを憎むようになった。雑誌などの占いコーナーも見ないだけでなく、ページごと破り捨てるほどだ。
「やっぱり占ってみようよ。本当に当たるんだから。マキの占い嫌いも直るかもしれないよ」
「だから、嫌だって言ってるでしょ!」
思わず大声で叫んでしまった。するとアカネは眼に涙を浮かべ、絞り出すように声を出した。。
「……そんな言い方しなくてもいいじゃない……」
その光景を見ていた同僚たちが集まってきた。彼女たちは一様に私に批難の眼差しを向けている。まずい状況だ。これは腹をくくるしかない。慌ててアカネに言った。
「アカネごめんね。あんな言い方して。いいわよ私のこと占っても」
そう言うと、アカネは涙を浮かべたまま私の眼をじっと見て言った。
「分かった……許してあげる。でも、もうサイトを閉じちゃった。マキ、自分の携帯で見てよ。教えてあげるから」
「う、うん」
私は携帯を取り出し、アカネの言うとおりに操作した。そして、目的の占いサイトに辿り着いた。
入力欄に自分の名前を入力して、『占う』と書いてあるボタンを押した。画面が切り替わる瞬間、思わず眼をつぶってしまった。やはり、占いなど見たくない。しかし、この状況では、そうも言ってられない。
ゆっくりと眼を開き、画面に表示されている『今日のあなたの運勢』を見た。そして、そこに書いてある文章を恐る恐る口にした。
「今日、あなたは自分の意に反したことを無理矢理させられそうです。気をつけましょう」
あとがき

